有害エネルギーによる健康障害(有害要因)

作業環境における有害要因による健康障害は、それぞれの原因と特徴的な症状の組合せが頻繁に出題されます。よく似た症状とのひっかけも多いため、原因と症状をセットで覚えておきましょう。

出題パターン解析

実際の過去問で出題された文章をテーマごとに整理しています。

作業環境における有害要因による健康障害に関する記述

正しいものを「」、誤っているものを「」で示しています。

寒冷環境による健康障害

  • 低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡を起こすことがある。
  • 低体温症は、低温下の作業で全身が冷やされ、体の中心部の温度が35℃程度以下に低下した状態をいう。
  • 凍瘡は、皮膚組織の凍結壊死を伴うしもやけのことで、0℃以下の寒冷にばく露することによって発生する。

暑熱環境による健康障害

  • 熱けいれんは、大量の発汗時に水を補給することで血中の塩分濃度が低下することによって生じ、こむら返り、立ちくらみなどもみられる。
  • 熱けいれんは、高温環境下での労働において、皮膚の血管に血液がたまり、脳への血液の流れが少なくなることにより発生し、めまい、失神などの症状がみられる。
  • 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。
  • 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、長期間にわたる発熱、関節痛などの症状がみられる。
  • 金属熱は、鉄、アルミニウムなどの金属を溶融する作業などに長時間従事した際に、高温環境により体温調節機能が障害を受けることにより発生する。

熱けいれんと熱失神が毎回ごちゃごちゃになるよ……。

熱けいれんは「大量の発汗と塩分不足」、めまいや失神は「皮膚への血液集中」がポイントです。症状と原因をセットで覚えると整理しやすいですよ。

振動による健康障害

  • レイノー現象は、振動工具などによる末梢循環障害で、冬期に発生しやすい。
  • 全身振動障害では、レイノー現象などの末梢循環障害や手指のしびれ感などの末梢神経障害がみられ、局所振動障害では、関節痛などの筋骨格系障害がみられる。

電磁波・放射線による健康障害

  • 電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れる。
  • マイクロ波は、赤外線より波長が短い電磁波で、照射部位の組織を加熱する作用がある。
  • 電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。

減圧・酸欠などによる健康障害

  • 潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた酸素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。
  • 減圧症は、潜函作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
  • 減圧症は、潜函作業者や潜水作業者などに発症するもので、高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた二酸化炭素の気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
  • 窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。

減圧症って酸素や二酸化炭素が気泡になるんじゃないの?

そこは定番のひっかけです。試験では「窒素」が別の気体に置き換えられて出題されることがよくあります。

その他(粉じんとのひっかけ)

  • けい肺は、鉄、アルミニウムなどの金属粉じんによる肺の線維増殖性変化で、けい肺結節という線維性の結節が形成される。

過去問

直近7回の試験で出題された、この科目の過去問を掲載しています。繰り返し演習して、出題傾向と重要ポイントを身につけましょう。


令和7年10月 問20

作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 電離放射線の被ばくによる白内障は、晩発障害に分類され、被ばく後、半年~30年後に現れる。
  2. マイクロ波は、赤外線より波長が短い電磁波で、照射部位の組織を加熱する作用がある。
  3. 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、長期間にわたる発熱、関節痛などの症状がみられる。
  4. 凍瘡は、皮膚組織の凍結壊死を伴うしもやけのことで、0℃以下の寒冷にばく露することによって発生する。
  5. 潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた酸素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。

正解:1


令和7年4月 問16

作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. マイクロ波は、赤外線より波長が短い電磁波で、照射部位の組織を加熱する作用がある。
  2. 全身振動障害では、レイノー現象などの末梢循環障害や手指のしびれ感などの末梢神経障害がみられ、局所振動障害では、関節痛などの筋骨格系障害がみられる。
  3. 熱けいれんは、大量の発汗時に水を補給することで血中の塩分濃度が低下することによって生じ、こむら返り、立ちくらみなどもみられる。
  4. 減圧症は、潜函作業者や潜水作業者などに発症するもので、高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた二酸化炭素の気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。
  5. けい肺は、鉄、アルミニウムなどの金属粉じんによる肺の線維増殖性変化で、けい肺結節という線維性の結節が形成される。

正解:3


令和5年10月 問18

作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 潜水業務における減圧症は、浮上による減圧に伴い、血液中に溶け込んでいた酸素が気泡となり、血管を閉塞したり組織を圧迫することにより発生する。
  2. 熱けいれんは、高温環境下での労働において、皮膚の血管に血液がたまり、脳への血液の流れが少なくなることにより発生し、めまい、失神などの症状がみられる。
  3. 全身振動障害では、レイノー現象などの末梢循環障害や手指のしびれ感などの末梢神経障害がみられ、局所振動障害では、関節痛などの筋骨格系障害がみられる。
  4. 低体温症は、低温下の作業で全身が冷やされ、体の中心部の温度が35℃程度以下に低下した状態をいう。
  5. マイクロ波は、赤外線より波長が短い電磁波で、照射部位の組織を加熱する作用がある。

正解:4


令和5年4月 問16

作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. レイノー現象は、振動工具などによる末梢循環障害で、冬期に発生しやすい。
  2. けい肺は、鉄、アルミニウムなどの金属粉じんによる肺の線維増殖性変化で、けい肺結節という線維性の結節が形成される。
  3. 金属熱は、鉄、アルミニウムなどの金属を溶融する作業などに長時間従事した際に、高温環境により体温調節機能が障害を受けることにより発生する。
  4. 電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。
  5. 熱けいれんは、高温環境下での労働において、皮膚の血管に血液がたまり、脳への血液の流れが少なくなることにより発生し、めまい、失神などの症状がみられる。

正解:1


令和4年10月 問15

作業環境における有害要因による健康障害に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 低温の環境下では、手や足の指などの末梢部において組織の凍結を伴わない凍瘡を起こすことがある。
  2. 電離放射線による造血器障害は、確率的影響に分類され、被ばく線量がしきい値を超えると発生率及び重症度が線量に対応して増加する。
  3. 金属熱は、金属の溶融作業において、高温環境により体温調節中枢が麻痺することにより発生し、数時間にわたり発熱、関節痛などの症状がみられる。
  4. 窒素ガスで置換したタンク内の空気など、ほとんど無酸素状態の空気を吸入すると徐々に窒息の状態になり、この状態が5分程度継続すると呼吸停止する。
  5. 減圧症は、潜函作業者や潜水作業者が高圧下作業からの減圧に伴い、血液中や組織中に溶け込んでいた炭酸ガスの気泡化が関与して発生し、皮膚のかゆみ、関節痛、神経の麻痺などの症状がみられる。

正解:1